たまたま会社の後輩の友人の家へ遊びに行った時のことでした。玄関からホール、そしてリビングにつながる、ダイナミックな空間構成と、天井から差し込む光、使われている内装材のあたたかさなど、とても素敵だなと感じました。浴室の坪庭や、風呂上りの一杯を楽しめる、変形バルコニーなど、リゾート感覚に浸れる気分になりました。
身体と内部空間が呼吸している感じなのです。けばけばしい住宅展示場の見せつけのインテリアなどとは180度方向が違う、シンプルでありながらも心を打つ、その空間には、ただただ感激でした。
実は、ある工務店と既に契約直前まで話が進んでいるのですが、工務店に申し訳ないと思いながらも、その友人の家を設計した建築家とコンタクトをとることにしました。
何回かのディスカッションのあと、提出されたプラン、外観を見て、その違いに驚くばかりでした。
まったく違うのです。間取りや設備のグレードばかり気にしていた自分が、とても愚かに思えてなりませんでした。設備機器の掛け率が、何掛けかというような打合せや、食洗器を付けるの、付けないの、浴室換気乾燥機はどうする、などのことに時間を費やしていたのです。
その建築家は、敷地内の90cm位の高低差を巧みに利用して、素晴らしい内部空間を演出していたのです。われわれの希望を遥かに越えた、楽しい空間になっているのです。平面計画に実は、断面計画を重ね合わせて考えられていたのです。確かに空間とは、二次元のものではなく、三次元のものなのだということが、この建築家の提案されたプランニングに表われていることが
わかりました。三次元の空間の持つ意味が多少わかったような気がします。
間取りだけ見ていることって、とてもつまらないことですね。建築家って、こういうことをしてくれるんだって、改めて感心しました。
翌日、工務店に断りの連絡を入れ、その建築家に一任しました。