THE WAVE , FACE TO UPPER ROAD 

 


初期計画案(作図:土井敦子)
 

敷地は南北両面道路に面しており、南側の道路は東武線をまたぐ歩道付き高架陸橋になっており、そこを通る人たちから、視界をうまくさえぎることができるようなプランが当初の要望のひとつであった。上の初期計画案では、フラットな壁を立ち上げ、単純に「のぞかれる感じ」を解決しようとした案で、庭はむしろ、室内から眺める中庭としての機能を果たす。
プライバシーはある程度守られるものの、閉塞感はぬぐいきれない。ただ浴室からのバスコート(中庭)はダイニングルームにも面し、南北両面採光の変形ダイニングルームとしたため、閉塞的ではあるが、明るさは充分確保できる為、この案も捨てがたかった。
この案を捨てた理由として、角ばったデザインを嫌うオーナーの希望に加え、フラットな壁を立上げ、視界をさえぎる手法から波のようなデザインで目をくらます手法に方向転換を意図しようとしたことによる。
もちろん「波」のすき間からは、チョットだけ見られてしまうが、ほんのチョットだけである。

 


後期計画案(作図:土井敦子)
 

波を表現する塗料として、スタッコラースト(サクラメントスタッコカンパニー.USA)を採用した。
アクリル100%、水溶性で防カビ性、耐塩性、耐凍性、通湿性(透湿性)などが特性であるが、とにかく曲げ、変形に対応し、割れにくく、揮発性有機化合物(VOC)をほとんど含んでいないことが、採用の決定要因となった。
骨材には合成化合物は一切使用せず、100%天然の大理石を使用しているため、近くで見るときらきら光っているのがわかる。波と光り(形態と素材)の両方からなんとか目をくらますことに成功したようだ。
 

 

(2005年1月竣工 設計期間23ヶ月)
  延床面積:140.33u  
  DESIGN:FUMIHIKO KOZAKAI & ASSOCIATES