設計と家相の照合では、俊子さんの長男の俊秀くんが、心強いパートナーとなりました。俊子さんが巳年で、俊秀くんが辰年。2人の年まわりからすると、東南に張り出しを設けた家がベスト。ところが設計図では、家の東南にあたるリビングに張り出しがないだけでなく、隣家からの採光を考えて、東の壁面に、家相上は好ましくないクボミ(欠け)がありました。
そこで、クボミをなくし、リビングを横に少し狭くして、そのぶん、東南に張り出しになる半円形の出窓をつくりました。また、吹き抜けをつくる予定も、家の気が集中できないということで、急きょなくすことに。
玄関ドアを、吉である東向きに開くようにしたり、鬼門線(鬼門である東北と裏鬼門の南西を結んだ線のこと)上にガスレンジやスイッチプレート、コンセントなどがこないようにしたり、サッシをはめ殺しにしたり。エアコン室外機や床暖房オイルタンクなども鬼門から外れるよう、設置のし直しをしました。
設計上は、開口部分になるはずの2階の南西(裏鬼門)角の部屋の西向きの窓を、やはり家相上よくないということでなくしてクロゼットにしたり、台所から風呂場へ一直線のはずの通路を壁面で区切ったり、2階の人が1階の仏壇の上を歩くことがないようにと、仏壇と床の間の位置を逆転させ、仏壇の真上(2階)を物入れにするなど、基本図面を家相上のあらゆる角度で検討し、何度も描き直しました。その結果、最終的に、家相上、完璧な輸入住宅ができあがりました。
施工にあたっては、カナダから3人の職人を招きました。木材も壁に貼る石も輸入材。まさに、輸入住宅ならではの重厚感あるできばえになりました。
宮本さんたちが入居したのは、1995年1月末。実際には、まだドアなど、一部未完成な部分がありました。が、入居の時期が、家相では節分前でないといけないということで、とりあえず入居だけは済ませました。
家相をすべて取り入れ、輸入住宅の持つ良さや、床暖房など最新の設備を備えた家。それは、建築家の工夫の結晶でもあります。