ピラミッドの下の子供たち

 


 

先生と共に修学旅行に来た子供たちに囲まれて、

小堺は、5000年前のこのギザの台地に眠る

カフラー王が喜ぶような家をつくってみようと

ひそかに考えていた。

カイロを早朝に飛び立った飛行機の中で構想を練り、実現した建物が、作品-020の野田市K邸である。塔の部分は建物本体よりわずかにずらし、正確に東西南北の方向に向いている。

銅板で葺かれた屋根の勾配は、カフラー王のピラミッドと同じ勾配に設計されており、歴史的事象のブリコラージュを意識したデザインになっている。