● ● ● ● ● OH!カルカッタ・・・ヒンズースタイルの家 ● ● ● ● ●


30坪の敷地のほぼ中央に、約1メートルの高低差のある造成地(すなわち、敷地内にがけがある)に計画している「SGA」計画。がけを平坦にせず、そのまま高低差を生かした断面計画により、半地下、メインフロアー、2階、ロフトの4層の床面を持つ。シタール、ジャズマスター、ジャガー、プレべ、ローランドアンプ、フェンダーアンプ、ヴィーナス、レスポールなどの楽器で、趣味と実益になる音楽ルームを半地下に設け、そこは完全防音にする予定。メインフロアーには、将来、奥様が開設する予定のインド・アーユルヴェータ鍼灸院のスペースを計画している。また、2階リビングには「神道の神棚」、鍼灸院スペースに「インドの神棚」を作る事が予定されている。穏やかな宗教として知られる、仏教に近いヒンズー教的なスタイルをところどころに散りばめているファサードデザインもさることながら、容積率80パーセントの中で悪戦苦闘しながら、2方向からの道路斜線、加えて北側斜線を巧みにかわしながら実施設計を進めている。外壁の石張り、屋根下には遮熱シートを採用し、断熱材は現場発泡の吹きつけ、床材は「ピンカド」「ケンパス」などの東南アジア直送の無垢材、全室珪藻土仕上げなどが、現在決定されている。

 


半地下の音楽ルームに続く「蔵」の真上に位置する鍼灸院スペースの外壁は、緩やかな半円を描いており、そこには、インド砂岩を模した人造の比較的軽い石を張ることになっているが、これはオーナーの母上の希望である。石張り工事が終った暁には、石積み職人からは「OH、カルカッタどころではない、アー重かった」と嘆かれてしまいそうだが、角地に沿って緩やかに表現されたヒンズースタイルを見て、きっと心も和むことと思います。

 

2007年  水無月