● ● ● ● ● 断熱あれこれ ● ● ● ● ●


「これでなくてはいけない」「これが一番」とはいえないものの中に、断熱材も含まれます。次世代省エネを完璧に履行するのもひとつの方法であるし、日本において歴史は浅いが、ブームに乗って外断熱にするのもひとつの方法といえます。経年劣化、性能、コストなどから柔軟に対応そして選択しています。さて、昨年はいろいろな断熱方法を採用して建築した年でありました。断熱のカンブリア紀です。グラスウールは湿気を含んだときの性能の劣化から、13年位前からは採用していません。昨年採用した断熱方法は

外壁

1

ロックウール+ベーパーバリア

2

デミレック シーレクション 500

3

アップルゲート セルロース断熱材

4

完全外断熱(ネオマフォーム)

5

スタイロフォーム

屋根又は天井

1

カネライトフォーム+遮熱シート

2

ロックウール+ベーパーバリア

3

デミレック シーレクション 500

4

デミレック シーレクション 500+屋根通気工法

5

ネオマフォーム

6

スタイロフォーム+遮熱シート

床下又は土間

1

スタイロフォーム

2

カネライトフォーム

3

ネオマフォーム

と、さまざまです。昨年竣工した住宅の中で、「アップルゲート セルロース断熱材」と「デミレック シーレクション 500」を外壁に採用した、内部空間での微妙な感じ方の違いです。施工に関しては「工事を見る」に入れてあります。微妙としているのは、ほんのわずかの違いしか感じられなかったのですが、この違いを気にする人もいると思います。9月末のまだ暑さが残っている季節です。外はけっこう蒸しています。工事中ですから窓を開けたり閉めたりしていますので、断熱性能はよくわかりません。実は、外での「じとっとした蒸し暑さ感」がアップルゲートの方は中に入ると「からっとした感じ」なのです。中に入ったとたん「からっと」した爽やかな感じになるのです。気分がとても爽快です。ハンカチ王子のように爽やかです。断熱材の原料の古紙が湿気を吸収し、その湿気が構造用合板を通して、その外側のタイベックから外壁通気層を通して外部へ放出する仕組みどおりの効果です。ただ施工に1週間を要し、コストがデミレックの約2倍というところがネックです。セルロースを使用した板状の断熱材が今、開発されているそうです。

                              2007年  睦月