● ● ● ● ● ぐるり一周廻っても、出会わないよ ● ● ● ● ●


 

 

渦巻状の階段を下から上へ昇り、昇りきったところで、この最上階からまたそこを通って降りてくる。普通はこうなのであるが、この「さざえ堂」は違う。行きに通ったところは通らずに下まで降りてくるのである。垂直方向の動線を半階ずらしているところがミソである。日大理工学部の小林文次教授の研究によれば、江戸時代中期に江戸から北関東にかけてさざえ堂という仏堂形式の木造建築が多く建築されたというが、現存しているのは4棟ほどであるそうだ。小林教授の作製による立面図、断面図をみると、DNAの2重螺旋構造に近い感覚である。これはその中のひとつの「会津のさざえ堂」で3年ほど前に、会津にうまい酒を飲みに言ったときのものである。
うまい酒といえば、末廣酒造の大吟醸「玄宰」は抜きん出ている。いくつかの酒蔵の酒造りの現場を案内してもらって、新撰組を思い出しながら有意義な東北の旅でした。

                         2007年 師走