歴史シリーズ第2弾は、デルフィの円形建造物です。設計は建築家テオドロスといわれ、紀元前390年ごろから建設されたようです。工期は約10年です。いつも設計している住宅の工期とは一桁違います。ここはアテネの北120kmのところにあり、紀元前8世紀から6世紀にかけて全盛期を迎えた聖地です。
地球が円盤形とされていた時代、神話に中に「神々の指導者ゼウスは、世界の中心がどこかを探るため、世界の両端から2羽の鷲を放した。その2羽がデルフィの岩山、パルナソス山の上空で出会い、舞い降りた。」とあり、以来デルフィが「世界のへそ」とされたようです。デルフィは2つの地域に分かれており、街道を挟んで低い位置にあるのが、この模型のトロスと呼ばれる円形建造物のある場所です。知恵、技術、戦争を司る女神アテナが祀られ、巡礼者たちはアポロン神殿に行く前に、まずここで参拝し、街道より高い位置にあるアポロン神殿を目指しました。
現在は3本の柱が復元されており、模型もほぼ忠実に作成しています。
2008年 師走
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