「和楽」の家 |
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「和」の感覚を楽しむと言う意味での「和楽」の家です。「和風」となると、庭との関係性の中からデザインを抽出していかなければならないし、そもそも広大な敷地の中での計画ではなかったため、「和楽」のターゲットを全て内部の空間と、ディティールに向けることに専念しました。本来、和風となるとその外観も重要なのですが、この際ばっさりとそこは切り落としました。庭はあきらめたわけです。瓦屋根、縁側も同じです。したがって内部の構成に集中したデザインの展開が図られました。 |
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階段を上がって障子を開けると、路地空間とは一味違った「和モダン」の世界が現れます。新築とはいえない古めかしさ、遠い昔からここにいるような感じ、東海道五十三次に出てくる茶屋で、とっておきの静岡産の熱いお茶をすすり、これまたとっておきの草加せんべいをかじっている雰囲気が似合いそうな素朴な空間です。縁側をあきらめたとしましたが、この素朴な空間から広いバルコニーが連続しています。ロンプルーフシート防水(FRP防水より高性能)を施したバルコニーの床には仕上材としてブラジル産イペをフローリングのように施工し縁側のイメージを醸し出しています。朝日は何にも遮られないで、さんさんとこの素朴な空間に、そして隣のキッチンに溢れこんできます。冬の低い日差しですと、ダイニング横の小上がり和室まで届きそうな勢いです。なお、勾配天井とロフト部分の高窓は掃除が大変ですので、工事中にあらかじめ光触媒をコートしてメンテナンスを不要としています。さて、キッチンに移るとそこは機能最優先で設計しています。L型キッチン、ミセスカウンター、パントリー、本棚付パソコンカウンターがミセスの動線に従って配置され小上がり和室へと続きます。すなわちキッチンが行き止まりでなく、ぐるぐる回れる楽しいプランニングになっています。床材は普通ならヒノキあたりをもってくるのでしょうが、あえてUSAオークフローリングを採用しています。この普通ならの「普通」が物事をつまらなくさせている原因であると考えますので、けして伝統を否定しているわけでなく、伝統はさしあたって「保管」していると思ってください。パウダールームの平面計画と合わせ「普通」としなかったことが、固有の和風から少し離陸したような感じです。まるで自分が始祖鳥になった気分です。付け加えるとこの住宅は外観からは「和」を楽しむ家であるとはまったく気が付かないようにデザインしています。「和」の素材は一切外に出していません。「都市住宅」の表層の中に「和モダン」の世界を包み込んでいるのです。意味論的にはダブルコードの家といえましょう。
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構造・規模 |
枠組壁工法2階建て(ロフト付) |
敷地面積 | 151.39u | |
建築面積 | 114.86u | |
延床面積(法床) | 114.27u | |
延床面積(施工) | 135.94u | |
設計期間 | 2005年11月から2006年5月 | |
工事期間 | 2006年6月から2006年11月 | |
特徴・仕様 |
住宅性能保証登録住宅 1階土間温水式蓄熱床暖房 現場発泡断熱材(シーレクション500) 塗料オスモカラー 1階床無垢パインフローリング 2階床無垢オークフローリング エコキュート 造作書斎 パントリー 造作本棚 ルーフバルコニー(仕上げイペ材) ロフト ワーロン障子 LD勾配天井 小上がり和室 |
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建築工事費 | 2000万円台(屋外給排水工事、家具工事、蓄熱式床暖房、外構、エアコン、照明含む) | |
建築地 | 千葉県 我孫子市 | |
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